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HOME > コラム > 日本人弁護士が見た中国 > 「観光気分の危機管理」

中国関連コラム 日本人弁護士が見た中国
菅原

2017/01/24

観光気分の危機管理

菅原哲朗

1 中国人が日本を訪れるパターンは留学・就業・家族滞在などの長期滞在あるいは観光旅行などの短期滞在となる。2001年12月WTO加盟以前は中国で働くより、日本で稼ぐ方が儲かると、日本語習得のために一年間のビザを取り日本語学校に入学するが、元来の目的がアルバイトだったので、結局ビザが切れても国内に潜伏しそのまま稼ぐ。そして不法残留が発覚し、入管に拘束されて弁護士に依頼となるが、在留特別許可が認められず、多くは退去強制となる。

円安が進行し中国人民元が高くなると、経済的に豊かになった都市部の中国人は個人旅行が可能となり、訪日する中国人観光客が急速に増大した。近年は銀座の「爆買ツアー」に象徴されるように不況の日本経済の消費者として、偽物のない日本品の買い物あさりをする中国人観光ツアーの「インバウンド消費」が一過性の社会現象となった。

中国人観光ツアーは夏冬を問わず九州から北海道まで四季折々の日本の季節感を味わい、「東京ディズニーランド」「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」などのテーマパーク・展示会等のイベントに集まり、航空路線の増便、クルーズ船の寄港増加など交通手段の利便さが観光客増大の要因と言われている。日本政府観光局(JNTO)のプレスリリースによると、2016年上半期の訪日中国人数は307万人余り(昨年比約41%増)にのぼり、まだまだ中国の中間層にとって日本観光旅行は高い人気を誇っている。


2 数年ぶりの大雪の2014年春、旧正月の連休に訪日していた中国人男性Aさんが詐欺罪で警察官に現行犯逮捕された。Aさんは空港駅近くのJR窓口で、日本で利用してきたスイカカード数枚を解約し保証金の返還を受けようとした。まもなく航空機が出発するときに家族連れの個人旅行できた大黒柱の父Aさんが逮捕されたのである。Aさんは何度か日本を観光で訪れた経験があり、今回は子連れでの観光だった。偶然拾ったスイカカードの一枚が日本人名義の記名式のカードだった。JRの窓口で指摘されたときに、このスイカカードは自分の所有物ではなく遺失物であると正直に申告すれば、軽微な事件であり、説諭程度で逮捕に至る重大な事態にはならなかったはずである。

しかし、中国と異なり日本のスイカカードに無記名と記名式があることを知らなかったAさんは、摘発した婦人警官と喧嘩したとは言わなかったが、間違いを認めて素直に謝罪することの不得手な中国人の国民性から激高し口論の結果、逮捕に至ったと推測された。我々は雪道を2日間にわたり警察署まで中国語通訳を同行して被疑者接見に出かけた。結論として、観光気分のAさんは日本の警察と中国の警察の法執行の違いを認識できなかったのだ。


3 2016年12月26日にテレビ・新聞で報道され、海外でも反響が出ているが、北海道の新千歳空港が大雪の影響を受け、12月22日から24日の3日間で、1万1600人が空港で寝泊りする天災が生じた。そのとき「大雪欠航でゲートに乱入、新千歳空港で中国人観光客大暴れ」のニュースが流れた。マスコミ報道による事実関係は、「大雪の混乱が続いた北海道の新千歳空港で、飛行機が欠航したことに腹を立てた中国人が、警察官に激しく詰め寄る騒動」「中国人観光客がゲートを勝手に越え、駆け付けた警察官に激しく詰め寄った。」「数人がゲートを勝手に越えたため、警察官と小競り合いになった。」等の動画が放映された。現場が撮影されたのは12月24日午後8時ごろで、目撃者がユーチューブにアップした。新千歳空港の国際線ターミナルで、大雪のため飛行機が欠航したことに腹を立てた100人ほどの中国人が騒いでいる事実を画像は冷酷に語る。


現代は誰もがスマホを携帯し、簡単に事件現場を録画でき、かつユーチューブに投稿できる時代だ。旅の恥はかき捨てという観光気分は許されない。

(2017年1月執筆)


執筆者プロフィール

菅原哲朗 (スガワラテツロウ)

(出身)1948年 東京都生まれ

(学歴)1972年 東京都立大学法学部卒業
    1975年 司法研修所卒業 (司法修習27期)

(職歴)1975年 弁護士開業 (第二東京弁護士会)
    2000年 中国大連市外国法弁護士事務所開設

(役職)日本体育協会日本スポーツ少年団前常任委員
    日本体育協会国民体育大会委員会委員
    日本オリンピック委員会危機管理プロジェクト班員
    日本スポーツ法学会元会長
    国立スポーツ科学センター倫理審査委員
    日本スポーツ仲裁機構顧問
    中国北京交通大学客員教授
    日中法務交流・協力日本機構理事
    第二東京弁護士会スポーツ法政策研究会代表幹事
    独立行政法人国立国際医療研究センター理事

(所属事務所)キーストーン法律事務所( http://www.keystone-law.jp/ )

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