国民年金・厚生年金関係
1)給付と負担の見直し
ア)基礎年金に対する国庫負担割合の引き上げ
基礎年金に対する国庫負担の割合を平成21年度までに段階的に2分の1に引き上げることとされました。
イ)財政の現況及び見通しの作成
政府は、少なくとも5年ごとに年金事業の財政収支の現況及びおおむね100年間とする財政均衡期間における見通しを作成し、これを公表しなければならないこととされました。
ウ)保険料水準固定方式の導入等
(1)保険料水準固定方式の導入
国民年金及び厚生年金の将来の保険料水準を固定した上で、その収入の範囲内で給付水準を自動的に調整する仕組みが導入されました。
(2)国民年金の保険料額
各年度における保険料(月額)は、平成17年4月から毎年280円ずつ引き上げ、平成29年度以降は16,900円とすることとされました。
(3)厚生年金の保険料率
平成16年10月から毎年0.354%ずつ引き上げ、平成29年度以降は18.30%とすることとされました。
(4)マクロ経済スライド制の導入
社会全体の保険料負担能力の伸びを年金改定率に反映させることで、給付水準を調整するマクロ経済スライド制が導入されることとされました。
2)多様な生き方、働き方に対応した制度の導入
ア)在職老齢年金制度の見直し
<1> 被保険者に支給する老齢厚生年金の支給停止について、その調整の基準となる金額を自動改定する仕組みに改め、65歳未満の被保険者に支給される老齢厚生年金の額のうち一律20%に相当する額の支給停止が廃止されることになりました。
<2> 厚生年金適用事業所で使用される70歳以上の者に支給する老齢厚生年金ついて、年金額と賃金に応じて、その全部又は一部を支給停止することとされました。
イ)短時間労働者に対する厚生年金保険法の適用に関する検討
短時間労働者に対する厚生年金保険法の適用については、就業形態の多様化の進展を踏まえ、企業と被用者の雇用形態の選択にできる限り中立的な仕組みとなるよう、この法律の施行後5年を目途として、総合的に検討が加えられ、その結果に基づき、必要な措置が講ぜられることとされました。
ウ)育児休業期間における厚生年金保険料の免除措置の拡充
育児休業期間について、子が3歳に達するまでの間厚生年金保険料が免除されることとされました。
エ)厚生年金保険における標準報酬分割制度の創設
(1)離婚等をした場合における標準報酬分割制度の創設
当事者の一方は、離婚等をした場合であって、標準報酬の改定又は決定の請求をすること及び請求すべき按分割合について合意しているとき、又は裁判所において標準報酬の按分割合に関する処分がなされたときは、社会保険庁長官に対し、当該離婚等について対象期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定又は決定を請求することができる制度が創設されました。
(2)被扶養配偶者である期間についての標準報酬分割制度の創設
<1> 被扶養配偶者を有する被保険者が負担した保険料について、当該被扶養配偶者と共同して負担したものであるとの基本的認識とすることとされました。
<2> 被保険者及び被扶養配偶者が離婚等した場合その他これに準ずるものとして厚生労働省令で定める場合、当該被扶養配偶者の請求に基づき、その被扶養配偶者が当該被保険者の配偶者として国民年金法に規定する第三号被保険者であった期間に係る当該被保険者及び被扶養配偶者の標準報酬を、それぞれ被保険者の標準報酬に2分の1を乗じて得た額に改定し、決定する制度が創設されました。
オ)遺族年金制度の見直し
<1> 高齢期の遺族厚生年金受給権者に対しては、老齢厚生年金を全額支給し、残余の額を遺族厚生年金として支給する仕組みとすることとされました。
<2> 子がいない30歳未満の遺族配偶者の遺族厚生年金を5年の有期給付とするほか、中高齢寡婦加算の支給要件の見直しを行うこととされました。
3)その他の改正事項
ア)国民年金の保険料免除制度の見直し等
(1)多段階免除制度の導入
所得に応じた保険料負担とする観点から、現行の全額免除制度及び半額免除制度に加え、申請に基づき保険料の4分の1又は4分の3に相当する額の納付を要しないこととする制度が導入されることとされました。
(2)若年就業困難者に対する納付特例制度の創設
20歳代の第一号被保険者で本人及び配偶者の所得が一定以下のものについて、平成27年6月までの措置として、申請に基づき保険料の納付を要しないこととされました。
(3)第三号被保険者の届出の特例
平成17年4月1日前の第三号被保険者の未届期間について特例的に届出を行うことができることとし、届出に係る期間は保険料納付済期間に参入することとされました。
イ)被保険者に対する情報提供
被保険者に対し、保険料の納付実績及び将来の給付に関する必要な情報を点数化して表示するなど分かりやすい形で通知することとされました(ポイント制)。
企業年金関係
1)厚生年金基金に関する事項
ア)免除保険料率の凍結の解除
当分の間の措置とされている厚生年金基金の免除保険料率の凍結を解除し、算定方法を見直すこととされました。
イ)厚生年金基金が解散する場合における特例措置
年金給付等積立金が責任準備金相当額を下回っている厚生年金基金が一定の要件を満たして解散する場合、責任準備金相当額の特例、納付の猶予等の特例を、3年間の時限立法として認めることとされました。
2)確定給付企業年金法の一部改正
中途脱退者が他の確定給付企業年金の加入者となったとき等に申出により脱退一時金相当額の移換を行えるようにするほか、企業年金連合会から他の企業年金等への年金給付等積立金の移管を可能とすることとされました。
3)確定拠出年金法の一部改正
個人別管理資産が少額の者について、脱退一時金を請求できることを新たに認めることとされました。