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HOME > ニュース&ダイジェスト 法令 > 法令ダイジェスト > 「グレーゾーン金利の撤廃など貸金業規制が強化される!」

法令ダイジェスト

グレーゾーン金利の撤廃など貸金業規制が強化される!

貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律

平成18年12月20日公布 法律第115号

概要

 多重債務問題の解決の重要性及び経済社会における貸金業の役割にかんがみ、貸金業の適正化、過剰貸付けの抑制、金利体系の適正化、ヤミ金融対策の強化を図るため、貸金業規制法、利息制限法、出資法が改正されました。

施行

 公布の日から1年を超えない範囲内において政令で定める日(一部の規定を除きます。)→後掲「施行スケジュール」参照

解説

 
題名の改正

 「貸金業の規制等に関する法律」の題名が、「貸金業法」に改められました。

貸金業の適正化

1)貸金業への参入条件の厳格化
 ア) 財産的基礎の段階的引上げ
 貸金業者の財産的基礎(純資産額)が段階的に引き上げられることとなりました。施行後1年6か月以内に2,000万円、2年6か月以内に5,000万円の順に引き上げられます。
 イ) 貸金業務取扱主任者資格試験制度の導入
 法令遵守のための助言・指導を行う貸金業務取扱主任者について、資格試験制度及び登録制度が導入され、登録者を営業所等ごとに設置することが義務づけられることとなりました。

2)貸金業協会の自主規制機能強化
 ア) 設立の認可制の導入
 貸金業協会は、内閣総理大臣の認可を受けて貸金業者が設立する法人となり、都道府県ごとに支部の設置が義務づけられることとなりました。
 イ) 業務規程の認可制の導入
 貸金業協会は、次の事項等についての業務規程を定め、内閣総理大臣の認可を受けなければならないこととなりました。
〈1〉 過剰貸付けの防止に関する事項
〈2〉 極度方式基本契約におけるミニマムペイメント(一定期間における最低の返済額その他返済)に関する事項
〈3〉 広告の内容、方法、頻度及び審査に関する事項
〈4〉 勧誘に関する事項
〈5〉 カウンセリングに関する事項

3)行為規制の強化
 ア) 取立規制の強化
 禁止行為の要件を客観的なものとし、次の禁止行為の類型が追加されることとなりました。
〈1〉 債務者等から弁済等の時期について申し出を受けている場合には、正当な理由なく、日中に電話、訪問等による取立てを行うこと
〈2〉 債務者等から退去すべき意思を示されたにもかかわらず、居宅や勤務先等から退去しないこと
〈3〉 禁止行為のいずれかを行うことを告げること
 イ) 生命保険金による保険金支払を含む契約締結の禁止
 貸金業者は、借り手等の自殺を保険金事故とし保険金が支払われる内容の生命保険の付保が禁止されることとなりました。
 ウ) 連帯保証人に対しての書面交付義務
 連帯保証人について、事前書面及び契約書面に、催告・検索の抗弁権がない旨の記載が義務づけられることとなりました。
 エ) 公正証書作成の委任状取得・嘱託の禁止
 貸金業を営む者は、公正証書の作成を公証人に嘱託する委任状を取得してはならないこととなりました。また、利息制限法の利息の制限額を超える貸付けの契約について、公正証書の作成を公証人に嘱託することが禁止されることとなりました。
 オ) 事前書面交付の義務づけ
 貸付契約締結にあたり、契約内容を説明した書面を事前に交付することが義務づけられることとなりました。

4)業務改善命令の導入
 内閣総理大臣又は都道府県知事は、その登録を受けた貸金業者の業務の運営に関し、資金需要者等の利益の保護を図るために必要があると認めるときには、その必要の限度において、登録取消しや業務停止に加え、業務の方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置を命ずる「業務改善命令」を命ずることができることとなりました。

過剰貸付けの抑制

1)指定信用情報機関制度の創設
 信用情報の適切な管理や全件登録などの条件を満たす信用情報機関を指定する制度が導入されるとともに、指定の要件、役員の兼職の認可制、役職員等の秘密保持義務等が整備され、貸金業者が借り手の総借入残高を把握できる仕組みが整備されることとなりました(ただし、指定信用情報機関が複数の場合には、相互に残高情報等の交流が義務づけられることとなりました。)。

2)総量規制の導入
 ア) 返済能力の調査の義務づけ
 貸金業者は、貸付契約を締結するためには、顧客等の返済能力の調査が義務づけられることとなりました。また、個人が顧客等の場合には、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用した調査が義務づけられ、次の場合には、源泉徴収票等の提出が義務づけられることとなりました。
〈1〉 自らの貸付金額が50万円超となる貸付け
〈2〉 自らの貸付金額と他の貸金業者の貸付残高の合計額が100万円超となる貸付け
 イ) 返済能力を超えた貸付けの禁止
 顧客等の返済能力を超える貸付契約締結が禁止されることとなりました。また、自らの貸付金額と他の貸金業者の貸付残高の合計額が年収等の3分の1を超える貸付けが原則、禁止されることとなりました。

金利体系の適正化

1)上限金利の引下げ
 貸金業の規制等に関する法律上の「みなし弁済」制度(グレーゾーン金利)が廃止され、出資法の上限金利が年29.2%から20%に引き下げられ、これを超える場合は、刑事罰が科せられることとなりました(ただし、利息制限法の上限金利(20%〜15%)と出資法の上限金利(20%)の間の金利での貸付けについては、行政処分の対象になりました。)。

2)利息制限法の改正
 ア) 貸付利息の範囲
 業として行う貸付けの利息には、契約締結費用及び債務弁済費用も含まれることとなりました(ただし、公租公課・ATM手数料は除きます。)。
 イ) 超過部分への刑事罰
 貸付利息と借り手が保証業者に支払う保証料を合算して上限金利を超過した場合、超過部分につき、原則として、保証料が無効となり、保証業者に刑事罰が科せられることとなりました。

3)日賦貸金業者及び電話担保金融の特例の廃止
 日賦貸金業者及び電話担保金融の特例が廃止されることとなりました。

ヤミ金融対策の強化

 ヤミ金融(超高金利(年109.5%超)の貸付けや無登録営業など)に対する法定刑が、次のような懲役若しくは罰金又は併科に引き上げられることとなりました。
改正前改正後
懲役5年以下10年以下
罰金1,000万円以下3,000万円以下

施行スケジュール

罰則の引上げ(ヤミ金融対策の強化)公布から1か月後
本体の施行
(取立規制の強化、業務改善命令導入、
 貸金業協会の自主規制機能強化、
 題名の改正など)
公布から1年以内
貸金業務取扱主任者の試験開始施行から1年6か月以内
指定信用情報機関制度(指定の開始)
財産的基礎引上げ(2,000万円)
金利体系の適正化
(グレーゾーン金利の廃止、出資法の
 上限金利の引下げ、利息制限法の改正、
 日賦貸金業者及び電話担保金融の特例の廃止)
施行から2年6か月以内
総量規制の導入
財産的基礎引上げ(5,000万円)
事前書面交付義務導入
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