建物の区分所有等に関する法律の一部改正
1)共用部分の変更
改正前の共用部分の変更については、改良を目的とし、かつ、著しく多額の費用を要しないものを除き、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決するとされていましたが、今回の改正で、形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除き、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決することとされました。
したがって、現状維持を目的とする大規模修繕等(外壁の修繕等)、形状及び効用いずれについても著しい変更を伴わない工事については、費用の多少にかかわらず過半数の賛成で実施できることとなりました。
2)管理者及び管理組合法人の代理権及び当事者適格
ア)代理権
管理者(管理組合の理事等)及び管理組合法人は、共用部分、建物の敷地及び附属施設について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領に関し、区分所有者を代理することができることとされました。
イ)当事者適格
管理者及び管理組合法人は、ア)の事項について、規約又は集会の決議により、区分所有者のために原告又は被告となることができることとされました。
3)規約の適正化
規約は、専有部分若しくは共用部分又は建物の敷地若しくは附属施設につき、これらの形状、面積、位置関係、使用目的及び利用状況並びに区分所有者が支払った対価その他の事情を総合的に考慮して、区分所有者の利害の衡平が図られるように定めなければならないこととされました。
4)管理組合の法人化の人数要件の撤廃
区分所有者によって構成される団体(管理組合)が管理組合法人となるための人数要件(区分所有者の数が30人以上)が撤廃されました。
5)規約・議事録等及び集会・決議の電子化等
ア)規約・議事録の関係書類の電子化等
規約、議事録の関係書類について電磁的記録により作成することができることとされました。
イ)集会における電磁的方法による議決権の行使
区分所有者は、規約又は集会の決議により、書面による議決権の行使に代えて、電子メールなどの電磁的方法によって議決権を行使することができることとされました。
6)復 旧
建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合に復旧決議があったときは、決議に賛成しなかった区分所有者が有する自己の専有部分等の買取請求権の行使の相手方を、決議賛成者全員の合意で指定することができることとされました。
7)建替え決議
ア)建替え決議の要件
集会においては、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数決のみで、建物を取り壊し、かつ、その建物の敷地若しくは一部の土地等に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」といいます。)をすることができることとされました。改正前は、建替え後の建物について、その敷地及び主たる使用目的が建替え前と同一でなければなりませんでしたが、建替え後の敷地が建替え前の敷地と一部重なっていればよいものとして、敷地の同一性要件が緩和されるとともに、使用目的の同一性要件については、撤廃されました。
イ)招集通知の発出時期
建替え決議を行う集会を招集するときは、その集会の会日より少なくとも2月前に招集通知を発しなければならないこととされました。
ウ)通知事項
建替え決議を会議の目的とする集会の招集の通知をするときは、議案の要領のほか、次の事項も通知しなければならないこととされました。
<1> 建替えを必要とする理由
<2> 建物の建替えをしない場合には、その建物の効用の維持又は回復をするのに要する費用の額及びその内訳
<3> 建物の修繕に関する計画が定められているときは、その計画の内容
<4> 建物につき修繕積立金として積み立てられている金額
エ)説明会の開催
建替え決議を行う集会の招集者は、その集会の会日より少なくとも1月前までに、その招集の際に通知すべき事項に関する説明会を開催しなければならないこととされました。
8)団地内の建物の建替え承認決議
一団地内にある数棟の建物(以下「団地内建物」といいます。)の全部又は一部が専有部分のある建物であり、かつ、団地内の特定の建物(以下「特定建物」といいます。)の土地が団地建物所有者の共有に属する場合、団地管理組合等の集会において議決権の4分の3以上の多数による承認の決議で、その特定建物を取り壊し、その土地又はこれと一体として管理・使用する団地内の土地に新たに建物を建築することができることとされました。
9)団地内の建物の一括建替え決議
団地内建物の全部が専有部分のある建物であり、かつ、団地内建物の敷地が区分所有者の共有に属する場合は、各団地内建物ごとに、それぞれの区分所有者及び議決権の各3分の2以上を占める者の一括建替え決議の賛成があれば、団地管理組合等の集会において区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数決で、一括して、団地内建物の全部を取り壊し、かつ、再建団地内敷地に新たに建物を建築することができることとされました。
マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部改正
1)団地内建物の一括建替え決議の創設に伴う規定の整備
一括建替え決議の内容によりマンションの建替えを行う旨の合意をしたものとみなされた者(以下「一括建替え合意者」といいます。)は、5人以上共同して、定款及び事業計画を定め、都道府県知事の認可を受けて組合を設立することができることとされました。この場合、申請者は、一括建替え合意者の4分の3以上の同意及び一括建替え決議マンション群(一括建替え決議に係る団地内のニ以上のマンションをいいます。)を構成する各マンションごとのその区分所有権を有する一括建替え合意者の3分の2以上の同意を得なければならないこととされました。
2)建替え決議における同一敷地要件の緩和に伴う規定の整備
<1> 組合の設立の認可の申請があった場合において縦覧に供された事業計画について都道府県知事に意見書を提出することができる者に、隣接施行敷地について権利を有する者を追加することとされました。
<2> 組合が権利変換計画について同意を得なければならない者に、隣接施行敷地について権利を有する者を追加することとされました。