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HOME > ニュース&ダイジェスト 税務・会計 > 税法最前線 > 「旺文社事件、東京高裁で納税者逆転敗訴(2004年2月9日号・053)」

税法最前線

旺文社事件、東京高裁で納税者逆転敗訴(2004年2月9日号・053)

判決書で一審判決に異例の言及

2004/02/09

旺文社事件、東京高裁で納税者逆転敗訴
判決書で一審判決に異例の言及


 東京高裁第1民事部(江見弘武裁判長)は1月28日、旺文社(現オウブンシャホールディング)が100%出資(現物出資)してオランダに設立した海外子会社が第三者割当増資した新株を同じオランダの関連会社(「引受会社」)に「著しく有利な価格」で割り当て、テレビ朝日株式等の含み益を転移させていたケースについて、旺文社の「引受会社」への無償譲渡に該当すると判断し、「寄付金」として課税した国側の更正処分を適法とした。
 本件の第一審では、東京地裁民事三部(藤山雅行裁判長)が、このようなスキームについて「法人税法上やむを得ない」として納税者の請求を容認していたが、東京高裁では、一審判決について「関係当時者の意思及びその結果生じた事実を全体として見ず、一部を恣意的に切り取って結論を導いた誹りを免れず、争点について判断し、紛争を解決に導くべき裁判所の責任を疎かにするものと評せざるを得ない。」として異例の言及を加えている。

事件の概要
 旺文社事件は、旺文社(現オウブンシャホールディング(株))がオランダで設立した100%出資の外国子会社(アトランティック社)において、増資が行われ、新たに発行する新株全部が、旺文社のオランダにおける関連会社であるアスカファンド社に著しく有利な価額で割り当てられたことにつき、旺文社が保有するアトランティック社株式の資産価値をアスカファンド社に移転させたもので、移転した資産価値相当額がアスカファンド社に対する寄附金に当るとして、更正処分等が行われ、この処分の取消が求められたものである。
 原審(東京地裁民事3部)は、旺文社の保有する資産価値がアスカファンド社に移転したとしても、アトランティック社とアスカファンド社間の行為であり、旺文社は、アスカファンド社に対して何らの行為もしておらず、法人税法22条2項(無償による資産の譲渡又はその他の取引)及び132条1項1号(同族会社の行為計算否認)のいずれにも該当しないとして、旺文社の請求を認容していた。
 東京高裁第1民事部は、増資により法22条2項に規定する事実が生じたと認め、旺文社の請求は棄却されることになった。


第三者割当ての合意は、「無償の譲渡」
 東京高裁は、主要な争点であるアトランティック社が行った第三者割当増資について、「旺文社のアトランティック社に対する支配権は16/16から1/16に減少したが、旺文社がアトランティック社の株主として有する持分をアスカファンド社から何らの対価を得ることもなく喪失し、同社がこれを取得した事実は、それが両社の合意に基づくと認められる以上、両社間において無償による上記持分の譲渡がされたと認定することができる。」と判断した。
 また、「無償による上記持分の譲渡は、法22条2項に規定する『無償による資産の譲渡』に当ると認定判断することができる。上記「持分の譲渡」は、同項に規定する「資産の譲渡」に当たるとすることに疑義は生じうるが、「無償による…その他の取引」には当たると認定判断することができる。旺文社とアスカファンド社間の上記持分の譲渡は、両社の合意に基づくものであり、アトランティック社の株主総会における増資決議を介在させていることの故に両社の合意に基づくものであることが否定されるものでもない。」としている。

異例の原審批判を展開
 さらに、「納税者として節税を図ることは、もとより、なんら正義に反することではないが、本件訴訟で旺文社とアスカファンド社間に何らの行為もないことを理由に法22条2項の適用を否定するのは、裁判所としての事実認定の責務を果たしておらず、判決の理由としても、不備がある。持株割合の変動が資産の譲渡等に当るかどうか、資産の評価額等がいくらとなるかこそが、本件における重要な論点で、当事者も真摯に論争してきた。原審は、関係当時者の意思及びその結果生じた事実を全体として見ず、一部を恣意的に切り取って結論を導いた誹りを免れず、争点について判断し、紛争を解決に導くべき裁判所の責任を疎かにするものと評せざるを得ない。」と異例の原審批判を行っている。
 東京高裁は、「資産価値を実現しうる権利を取得する、反対に喪失するという法的効果に着目すれば、本件増資により、旺文社はアスカファンド社に対して法22条1項に定める無償による資産の譲渡又はその他の取引をしたと認めることができる。」と結論付けている。
 
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