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税法最前線

仕入税額控除で地裁が裁決と異なる解釈(2018年3月19日号・731)

課税仕入区分を“最終的に”課税資産の譲渡等コストとなるか否かで判定

2018/03/19

仕入税額控除で地裁が裁決と異なる解釈
課税仕入区分を“最終的に”課税資産の譲渡等コストとなるか否かで判定


消費税の課税仕入れの用途区分判定で、裁決と判決の法解釈に相違。
両者とも「課税仕入れ等を行った日の状況」で判定するが、最終的に裁決では「課税仕入れ等に対応する資産の譲渡等の内容を勘案」とし、判決は「対価の額が最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等」だけを「課税資産の譲渡等に要するもの」に。

 本誌727号(4頁〜)では、マンション販売事業者が取得したマンション(居住用建物)に係る消費税の仕入税額控除の大部分を否認する更正処分が相次いでいることをお伝えしたが、税務当局が否認の根拠としているのが、課税仕入れ等の用途区分(消法30条◆砲糧縦蠅砲弔い董峅歙濃兎れ等を行った日の状況により、当該課税仕入れ等の目的及び当該課税仕入れ等に対応する資産の譲渡等の内容を勘案して行う」との判断を示した平成24年1月19日付の大阪国税不服審判所の裁決だ。本裁決は税務調査の場面でも示されている模様。
 一方、本裁決の後には、課税仕入れ等の用途区分の判定について異なる解釈がさいたま地裁の判決で示されている。本判決の争点は、上記大阪国税不服審判所の裁決とほぼ同様であるが、結論から言えば、納税者が敗訴しており、原告による課税仕入れは「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」ではなく「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に該当するとの判断が下されている。
 結果だけを見れば、さいたま地裁判決は大阪国税不服審判所の判断を追認しているかのように見えるが、注目されるのが、消費税法30条2項一号イに規定される「課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ」の解釈だ。具体的には、さいたま地裁判決の下記の部分である。
イ 「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」とは、課税資産の譲渡等を行うためにのみ必要な課税仕入れ等をいう。すなわち、直接、間接を問わず、また、実際に使用する時期を問わず、その対価の額が最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等だけをいうと解される。

 さいたま地裁の判決は、前提として消費税の課税仕入れ等の用途区分は、「課税仕入れを行った日の状況等に基づき、当該課税仕入れをした事業者が有する目的、意図等諸般の事情を勘案し、事業者において行う将来の多様な取引のうちどのような取引に要するものであるかを客観的に判断すべきもの」とした上で、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」を「その対価の額が最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等だけをいう」(上記太字部分)としている点で大きく異なる(なお、さいたま地裁の場合は、課税仕入れの日と同日に賃貸管理契約を結んでいるため、共通仕入れとなり納税者が敗訴している)。
 大阪国税不服審判所の裁決日が「平成24年1月19日」であるのに対し、さいたま地裁の判決日は「平成25年6月26日」であり、確定判決となっている(控訴なし)。
 マンション販売事業者に対する消費税の仕入税額控除の大部分を否認する更正処分は中堅・中小マンション販売業に対する強い逆風となっているが、同様の更正処分は大手企業にも広がっている。
 例えば積水ハウス株式会社は3月1日、「過年度法人税等の計上に関するお知らせ」と題するリリースを公表、その中で、平成27年1月期から平成29年1月期までの3事業年度について、大阪国税局から「賃貸マンションの経費等の仕入れに係る消費税額について、控除対象仕入税額が過大であるとされ」たこと等を受け、修正申告を行ったことを明らかにしている。本件は、仕入税額控除の否認による更正処分が中堅・中小のマンション販売業者にとどまらず、大手企業にまで広がっていることも示していると考えられる。今後、新たに更正処分を受ける企業が出て来る可能性も十分にありそうだ。
 また、既に不服申立てを行うことをリリースで明らかにしているムゲンエステート社以外の否認案件でも不服申し立てを行う動きがある。体力のない中堅・中小事業者からは、事業の存亡をかけ不服申し立ての動きが相次ぐことも考えられる。
 これまで専門家の間でも日の目を見ることがほとんどなかったさいたま地裁判決の上記判示部分が、マンション販売事業者に対する更正処分の動向や、税務紛争へと発展した事案にどのような影響を与えるのか、注目されるところだ。

【平24.1.19大裁(諸)平23−32】
<住宅の貸付け等の用に供している建物を販売用として取得したとしても、課税仕入れの用途区分は、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに該当するとした事例>
請求人は、販売する目的で本件各建物を取得したのであるから、その取得に伴い住宅貸付けによる収入が発生する場合であっても、その取得は、消費税法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》第2項第1号に規定する個別対応方式による課税仕入れ等に係る消費税の控除額の計算において、「課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ」に該当する旨主張する。しかしながら、課税仕入れ等の用途区分の判定は、課税仕入れ等を行った日の状況により、当該課税仕入れ等の目的及び当該課税仕入れ等に対応する資産の譲渡等の内容を勘案して行うのであるから、本件各建物の取得は、たとえその取得目的が販売用であったとしても、その取得の時点において本件各建物は住宅の貸付け等の用に供されていたのであるから、「課税資産の譲渡等と課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ」に該当する。


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