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裁判員制度で弁護士はどう変わるか?

裁判員制度による裁判がいよいよ始まります。一般市民の方向けには裁判を分かりやすく解説したもの、傍聴マニュアル等たくさんの本が刊行されていますが、弁護士向けにもたくさんの本が出ています。

元々の裁判のプロでは?などとどうか思わないで下さい。裁判員裁判は弁護士にとっても全くの新しい裁判、従来の刑事裁判を長くやってきたベテラン(?)弁護士にとってはこれ以上ないくらいにおっかないものでもあるのです。

では弁護士から見た場合、どういうところが従来と大きく違うのでしょうか。

第一に公判前整理手続きに必ず付されるということです。公判前整理手続きは裁判員裁判が始まる前に必ず行われるいわば準備手続きです。争点整理、証拠の開示、証拠の厳選、裁判員裁判のタイムスケジュール作成等、重要な事項がここで行われます。この手続きは2005年の刑事訴訟法改正で初めて制度化されました。未だに圧倒的に多くの弁護士はこの手続き自体を経験したことがないはずです。公判前整理手続きは非公開の手続きですから、模擬裁判でもなければ傍聴することすらかないません。かくいう私も2年程前に初めて公判前整理手続きを行った際はどんな雰囲気なのか予測もつかず普段とは違う緊張感を持ったものです。

第二に裁判員裁判では口頭主義、直接主義が徹底されるということです。今まではそうでなかったのか?と思われる方もいるかもしれませんが、そうではありませんでした。従来の多くの裁判は、傍聴していたとしても一体どんな証拠があるのか、検察官や弁護人はどこにポイントを置いているのか、裁判官はどこに悩みを持つのか断片的にしか分かりませんでした。傍聴人の見ることができない書面のやりとりが中心だったからです。裁判官は、裁判が閉廷された後に裁判官室で証拠を初めて目にし、心証をとっていたのです。しかし裁判員裁判で実際に裁判が開かれている間に裁判員に心証をとってもらわなければなりません。あとで読んで下さいと言って書面を出すわけにはいきません。その場で口頭で伝えたいことを訴えていくほかないのです。我々弁護士は少しでも効果的に言いたいことを伝えるべく、内容や言葉使いもちろんのこと、ペーパーレスで話す、目を見て話す、立ち位置に気をつけるなどの研修をたくさん受けています。

裁判員制度が始まって、最も研鑽を求められているのは弁護士なのです。

(2009年8月執筆)

執筆者プロフィール

亀井真紀(弁護士)

平成13年 弁護士登録 第二東京弁護士会入会

平成15年 北海道の紋別ひまわり基金法律事務所(公設事務所)に所長として赴任

平成17年 同所長任期満了により退任

現 在  第二東京弁護士会会員 桜丘法律事務所所属
一般民事、家事、債務整理、刑事・少年事件を広く扱い、日弁連公設事務所法律相談センター委員会はじめ多数会務活動を行う。

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