毎月、裁判員制度に関するコラムを掲載します。
『裁判員裁判が始まりました。(1) 〜量刑について〜』
平成21年5月21日、施行された裁判員制度。第1例目は6名の裁判員のうち5名が女性(のちに1名が体調不良のため男性の補充裁判員が選任)、第2例目は全員が男性という構成でしたが、選出は抽選ですので、性別の偏りは偶然の結果でした。
第1例目は、東京地方裁判所。いわゆる隣人トラブルの末に、男性が女性を刺し殺した事件で、殺人罪の量刑がどの程度になるかが主な争点でした。
また第2例目は、さいたま地方裁判所。借金の債務者が本当の残債より高い残債が残っていると言われ、債権者である被害者を刺し、重傷を負わせた事件でした。やはり男性が刺したことに争いはなく、殺人未遂罪の量刑がどの程度になるかが主な争点でした。ただし、被告人が自首をしていること、未遂であることから、それによる刑の減軽の程度や、執行猶予が付くかどうかが注目されました。
結局、第1例目については、審理から判決まで4日間を要し、検察官が懲役16年を求刑したのに対し、裁判員は懲役15年を判示しました。
第2例目については、3日間を要し懲役6年が求刑されたのに対し、裁判員は懲役4年6ヶ月を判示しました。
弁護士から見ると、どちらもやや重めという意見が多いようです。
なお、第1例目は控訴されていますので、この量刑が控訴審でどの程度減軽されるのかが注目されています。
一般市民の方は、普段、刑事事件には親しんでいないものです。
そのため、初めて重大事件の被害者や、その凶器を目の当たりにした場合、衝撃を受けない人はいないでしょう。
これまで蓄積された量刑相場も参考にされますが、やはり、裁判のプロではない一般市民が審理する裁判員裁判では、量刑が重くなる傾向にあるのは、当然のことなのかもしれません。
裁判員制度は、刑事事件に市民の感性を裁判に反映させるための制度。下される量刑がこれまでの量刑相場に比べて、やや重めだということは、弁護士も受け止めなければならないことだと思います。
次回は、裁判員裁判の審理日数と裁判員の負担について検討します。
(2009年8月執筆)
執筆者プロフィール
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石渡真維(弁護士) 2000年11月 司法試験合格 2002年10月 弁護士登録 2002年10月 渥美雅子法律事務所入所 2004年8月 山田秀雄法律事務所(現・山田・尾崎法律事務所)入所 2006年5月 法律事務所オーセンス開設 2008年1月 ポラリス法律事務所入所 |
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